「その先」を見据える
材料開発で微細加工技術の
「壁」を打ち破る
材料
開発
- 先端材料開発一部
- Oさん
- 工学研究科卒
- 2017年入社
- TOKを就職先
に選んだ理由 - 大学から大学院まで研究を続けた高分子材料を扱う仕事をしたいと考え、化学系メーカーへの就職を希望。応用先の一つとして、フォトレジストに替わる次世代の半導体加工技術および材料の研究等も行っていたが、博士課程で共同研究に来ていた社員を通じて知ったTOKの高度な技術力と充実した研究体制に興味を持ち、自らエントリーした。
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サプライヤーとの連携で高純度の原料を開発・調達
私の主な仕事の内容はEUVレジスト向けの材料開発です。大学時代の研究を通じて、技術的な限界が疑われるたびにその壁を乗り越えてきた微細加工技術が、今後どう進展していくのか興味があり、できれば自分も材料開発の面から関わっていきたいと考えTOKを就職先に選んだのですが、希望が叶い現在の部署への配属となりました。
TOKでは、常に一歩先を見据えたフォトレジストの開発に取組んでいますが、基本的には顧客とともに、その品質要求に応えながら性能のハードルを超えていく形になります。半導体用フォトレジストの開発セクションは色々な原料を調整して製品化する「レジスト材料グループ」と、彼らからの要望を受けて、あるいは自ら「こういう材料ならばより良い特性が出るのでは?」というアイデアを出して原料を開発・調達する、私たちの「材料開発グループ」に分かれます。
例えば「こういう特性を実現したい」という顧客要望があるとすると、製品開発と材料開発が営業とともに、まず「①コンセプトを立案」し、「②サンプルを作成・評価」して、「③お客様の評価を仰ぐ」という手順になります。顧客の要望に応じた特性の改善を行うことや、原料を提供してくれるサプライヤーとの連携が不可欠な点など、基本的には生産技術開発部や原料管理のNさんが携わっている仕事に似ていますが、研究室で私たちが開発した製品の(工場などでの)量産化後が、彼らの活躍するフィールドになります。 -
敢えて傍観するのも
“TOKの親心(新人教育)”TOKの高純度化技術は、微細加工技術と並ぶコア技術の2本柱なのですが、使用する原料の純度については、原料メーカーと密接なコミュニケーションをとりながら品質管理しています。私の部署では、一人に一つの材料が割り当てられ、各自が責任をもって担当します。基本的には個人作業になりますが、実験台の向こう側には先輩もいますし、「ひとりで黙々・・・」というより、いろいろなことを話しながら作業をしているという感じです。
それで、初めて新規材料の合成を担当することになったときに、予想外に時間がかかり、完成が予定よりだいぶ遅れてしまったということがありました。目標とする高純度の目的物をつくるには、合成を何ステップも重ねる必要があります。各ステップに精製をしっかりして不純物を取り除き、目標通りの純度が得られたかどうかを確認して次に進むということを繰り返しながら、最終目標の純度まで上げていきます。そこで、このような実験を行う際には、並行してできるものなどを事前に洗い出し、効率的に作業を進めていく必要があるのですが、初めての経験で、それが十分できていませんでした。もちろん、わからないことがあれば近くにいる先輩に教えてもらえます。それも「これ、どうしたらいいですかね?」と、フランクにアドバイスを求めることができる雰囲気なのですが、「知識やスキルは自分で試行錯誤を繰り返してこそ身につくもの」という考えから、時には「敢えて傍観する」のも“TOK流の親心(新人教育)”らしいです(笑)。
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微細加工技術の“限界”に
挑み続けるエンジニアにまずは、今の業務を通じて知識を深め、スキルを高めていくことが先決ですが、EUVレジストという半導体の微細加工の中でも最先端の技術に関わる材料開発に携わらせてもらっているので、できれば微細化の限界まで挑戦してみたいというのは当然あります。それは開発部門全体の目標でもありますが、そこで実際にEUVによる微細化の限界が来ることがあれば、また今とは違う材料が必要になってくるかもしれないので、さらに先の将来的には、そういう材料の開発にも携わってみたいという夢があります。
「壁」にぶつかりそうになるたびに、世界中のエンジニアが技術の粋を尽くして乗り越えてきたのが半導体の微細加工技術です。この技術の発展がなければ、驚異的なコンピュータ技術の発達もあり得ませんでした。その仲間のひとりとして、新たな「壁」を打ち破る手伝いができたら「エンジニア冥利に尽きる」というものではないかと、ほんとうに思います。会社の方針としても、「失敗を恐れずに、積極果敢にチャレンジしてみなさい」ということで、部署内でも「こういう材料を開発すべきでは」とか、「こういう材料をつくるとこういうことがわかる」とか、積極的に提案していく雰囲気というのが結構あります。そうしたことを自分でも考えて、いろいろな提案をしたり、学会で発表したりできれば良いなと思いますね。もちろん、その技術が実際の暮しに役立つというのが一番ですが。
※掲載されている情報は、取材当時のものです。
Daily schedule
平均的な一日
- 07:30~08:00
- 出勤
- 08:00~08:30
- 業務開始(フレックスタイム制)、メールチェックなど
- 08:30~11:30
- 実験業務(合間にミーティングなど)
- 11:30~12:30
- 昼食
- 12:30~16:00
- 実験業務(合間にミーティングなど)
- 16:00~19:00
- 実験結果のまとめ、メールチェック、帰宅